本事業の目的
火山災害の軽減には、火山噴火を含む火山現象を総合的に理解して、それに基づいて噴火予測や防災・減災対策を講じることが基本である。火山現象の理解のためには、噴火発生や前兆現象発現などの緊急時等に人員や観測機器を当該火山に集中させた迅速かつ効率的な機動観測を行うことが重要である。また、平時においても、噴火に至る可能性を評価するため、火山内部の構造や状態についての科学的知見を得る調査研究の重要性が指摘されている。これらの知見は、火山噴火に備え、火山災害の軽減にも資するものである。さらに、火山現象の理解を深めていくことにより、将来的には現在の技術では困難な火山活動の推移予測を実現し、より効果的な対策につなげることが期待される。本事業では、火山本部の方針の下、平時における調査観測・解析を実施するとともに、緊急時において機動的・重点的な調査観測を実施するため、火山機動観測実証研究事業等これまで整備を行ってきた観測資機材、システムを活用してオールジャパンで実施する体制を構築する。
本事業の内容
（１）火山の機動観測研究の企画・体制整備
(a) 火山の機動観測研究のための中核的機能の整備
・火山調査研究推進本部の方針に基づき、機動観測の企画および実施体制の整備と運用を行う。
(b) 火山機動観測機材調達・管理
・機動観測の研究計画に応じて、必要な機材の調達、管理を進め、観測支援体制の構築を行う。
これらを統括して実施するための機材管理システムの運用・高度化を行う。
(c) 国際連携体制の整備
・火山機動観測における国際連携方策を検討するため、国際シンポシウムの開催や国際共同観測
の企画・立案・試行、火山観測研究の連携を進める。
（２）統括運営
上記（１）を進めるための委員会運営や情報発信の在り方等、統括事務を企画、検討、実施する。
