かざんのぺーじ

3.噴火するとどうなるの?
 火山が噴火(ふんか)すると、いろいろな災害(さいがい)がおこります。
 火山灰(かざんばい)土石流(どせきりゅう)火砕流(かさいりゅう)溶岩流(ようがんりゅう)などの(おお)きな災害や噴火に(ともな)空気(くうき)(ふる)えにより、(まど)ガラスが()れるなどの被害(ひがい)()ることもあります。
災害の様子が見れるよ! 動画再生

火山灰
 噴火で()()げられて火口(かこう)から()()(すな)(はい)のような(ちい)さな(およそ2ミリメートル以下(いか)破片(はへん)のことを火山灰といいます。
 空気中(くうきちゅう)()る火山によって呼吸(こきゅう)(わる)いえいきょうを(あた)えたり、火山灰が降り()もるために(いえ)(そと)(せん)たくものなどを()すことができなくなったり、野菜(やさい)などの農作物(のうさくぶつ)などに被害が出たり、降り積もった火山灰の(おも)みで建物(たてもの)がこわれたりなど、(おお)くの(ひと)生活(せいかつ)に悪いえいきょうがでます。
 噴火中の火山の上空(じょうくう)()ぶジェット()のエンジンの(なか)(はい)り、エンジンを()めてしまうこともあります。
宅地内降灰指定置き場 鹿児島県にある降灰指定置き場  鹿児島県にある桜島(さくらじま)はひんぱんに火山灰を噴き出しています。
 このように火山灰が降る地域では集めた火山灰を降灰袋に入れ、 指定された降灰置き場に出す決まりになっています。
 つまり火山灰を捨てるため専用の置き場があるのです。

土石流
 土砂(どしゃ)(みず)雨水(あまみず)地下水(ちかすい))と()ざり、河川(かせん)などを(なが)(くだ)現象(げんしょう)のことを土石流といいます。
 火山灰の積もった斜面(しゃめん)や噴火によってくずれた(いわ)(つち)のたまった(たに)に雨が降ったり、噴火によって火口付近(かこうふきん)(みずうみ)がこわれて水があふれ出したり、積もっていた(ゆき)がとけたりして土石流がおきます。
 流れ下りながら(いし)流木(りゅうぼく)なども()()み、山のふもとの建物などに大きな被害をもたらすことがあります。
家屋が土砂に埋まっている様子 1991年雲仙普賢岳の噴火が原因でおこった土砂流
 (みぎ)()える家は完全(かんぜん)に土砂にうまってしまっています。

火砕流
 火山灰などの噴出物(ふんしゅつぶつ)が、高温(こうおん)の火山ガスと(とも)に流れ下る現象のことを火砕流といいます。
 その(はや)さは1秒間(びょうかん)に100メートルを()えることもあり、火砕流は火山による災害のうちもっとも被害が大きいものといえます。
 火砕流にまきこまれると、高熱(こうねつ)有毒(ゆうどく)なガスで人が()くなることがあります。
 また、その(つよ)(ちから)で建物などもこわしてしまいます。
火砕流が発生している様子 1991年雲仙普賢岳が噴火による火砕流  死者行方不明者(ししゃゆくえふめいしゃ)43(めい)と9名の負傷者(ふしょうしゃ)を出す大きな被害となりました。
(写真:東京大学地震研究所 中田節也教授撮影)

溶岩流
 どろどろに()けた岩石(がんせき)溶岩(ようがん))が火口からあふれ、流れ出たものを溶岩流といいます。
 流れ()ちるスピードはそんなに速くありませんが、その温度(おんど)は1000()を超 えることもあり、溶岩が通過(つうか)する(ところ)にある建物や(はたけ)などは(すべ)()きつくされてしまうほか、火災(かさい)をおこすこともあります。

溶岩が流れている様子 1986年伊豆大島の噴火による溶岩流 (写真:白尾元理氏撮影)

トピック
火山によって起きる災害(さいがい)は、速さがずいぶんちがいます。火山による災害の速さをまとめると、下の()のようになります。 災害速度くらべ 溶岩流(ようがんりゅう)は歩いて逃げることもできますが、土石流(どせきりゅう)火砕流(かさいりゅう)は起きてから逃げるのではまにあわないほど(なが)れが速い災害(さいがい)です。そのため、()きる(まえ)にひなんすることがとても大切(たいせつ)です。

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2011年3月